トップページ  >  “イデア”なひととき
イデアなひととき
line6px
t_twoonelife69

   「瑞穂の国」とは、たわわに稲が実る国という意味であり、日本国の“美しい名称”だ。この「瑞」という字は「水」を表し、“瑞々しい”と“水々しい”は同義で、若々しく新鮮で艶のある様子を表している。灌漑用水で満たされた水田が稲の穂で“黄金色”に染まる時、私たち日本人は心からの豊かさを感じる。

昨今、日本人の“清潔好き”や“優秀さ”が世界中でかなり認知されてきたが、その一番の要因が、使える「水」の清潔さや「水量」の豊富さに有ると言うのは言い過ぎだろうか?いや全世界73億人の民の、実に6割以上が“生活用水”の不足に直面し、また2割以上が清潔な“飲み水”にも事欠く状況であることを考えれば、日本人の置かれた環境が如何に恵まれているかは明白であろう。ところが過去長い間、日本人は、“安全”と「水」はタダだ(有って当然のものだ!)と思って来たふしがある。それは井戸か水道かは別にして、常にごく身近に“清潔”で“使い放題”の「水」が有ったからだろう。しかし世界を見れば「水」をめぐる紛争は後を絶たず、今後ますます深刻さを増していくだろうと思われる。

   実は英語のrival(ライバル、敵対するもの)の語源は、river(河川)であると言われている。何故なら、一本の河川が複数の国々を通って海に流れ込んでいる場合、その「水量」や「水質」は、通過する各国の“取水”やダム建設などを含めた“灌漑治水”、また“生活排水”の汚染の程度などに大きな影響を受けるからだ。現に、ヨルダン川では「イスラエル」、「ヨルダン」、「レバノン」が、またナイル川では「エジプト」、「スーダン」、「エチオピア」が、更にチグリス・ユーフラテス川では「トルコ」、「シリア」、「イラク」が争っている。またチベット高原に水源のあるメコン川は、「中国」と下流にある国々との間で紛争が激化している。そんな世界の実情と比べれば、日本の河川は日本の中だけを流れてtwoonelife69いる訳で、“取水”も“灌漑治水”も“生活排水”についても、全てが日本国内の問題として処理出来る。世界中見ても、本当にこんなに恵まれた国は少ないのだ。

   最近のCMで最も印象に残ったのは、「貴方の身体のほぼ100%が、貴方の食べたり飲んだりしたものから出来ている!」という言葉だった。そう考えると“食べたり”、“飲んだり”するものの“質”や“量”には、かなり気を使わざるを得ない。特に「水」については、身体の60%以上(赤ちゃんは体重の80%以上)を構成している最も重要なものである。日本でも以前、水道水がカルキ(次亜塩素酸カルシウム)臭いとか、“生活排水”が増えたため、消毒用に添加された塩素と有機物質が結びついて、水道水の中に発がん性のある“トリハロメタン”が検出されて問題となった。これを契機として、日本でも水道水ではなく、わざわざ“飲料水”を別途購入するライフスタイルが定着した。しかし現在では浄水技術も発達し、オゾンによる殺菌などが行われるようになったため、水道水がずいぶん美味しくなったようである。いずれにしても、コップ1杯の“美味しい水”が容易に手に入る環境に生きていることに感謝し、心から幸せを感じている。


文 国影 譲

≪前のページへ | 次のページへ≫ ▲このページのトップへ spacer