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イデアなひととき
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「Money」よもやま話(1)

   以前のコラムにも書いたが、日本人にとって「命」の話と「お金」の話は、苦手分野なのだと感じている。特に「お金」の話となると、曰く“品が無い”とか“人格が疑われる”など散々であろう。読者の皆様の中にも、子供の頃、親に「給料、いくら貰っているの?」と聞いて叱られたり、全く教えてもらえなかったという経験をお持ちの方も多いのではないだろうか。親にしてみれば、下手に喋って子供同士で“親の年収”の比較から“親の品定め”になったり、子供が変に気を回して“進学しない!”などと言い出すのも片腹痛い。とまあ、日本における「お金」の話は、幼児期から何となく“タブー視”される存在に成って行くという次第である。ただその割には日本における“詐欺”や“偽の投資話”など“耳触りの良い儲け話”に類する“経済犯罪”の発生率は、世界と比較しても高いらしい。しかし、まさか日本人が特に欲張りな民族である訳でもないだろう。20年を超える不況下にあって、我々庶民が少しでも有利な投資や、少しでもリスクが低い利殖の道を探すことは全く恥ずかしいことでも何でもないのに、「お金」の話を“タブー視”するが故に却って“腹黒い詐欺師”連中の“暗躍”を許しているのではないだろうか。そこで、もうちょっとフランクに、しかも解かりやすく「お金」に関する“よもやま話”をすることで「お金」に対する“タブー視”を、和らげて頂けるならば幸いだと考えた。

   さて、上記のような趣旨で書き始めようとした矢先に、東北楽天球団の「田中将大」投手が、契約金“約160億円”でニューヨーク・ヤンキースに移籍することが決まったというニュースが飛び込んできた。“160億円”と聞いても、我々にはなかなか直ぐにはピンと来ない。そこで具体的な数字で検証してみると・・。まず、日本のサラリーマンの平均的な“生涯給与”は
“約3億円”と言われており、だとすると「田中」投手は今回の契約金だけで、日本のサラリーマン53人分の“生涯賃金”を一気に稼いだ計算になる。ちなみに1万円札1枚の重さは
約1gであり、“160億円”ならばその重さは
1600kgとなり、乗用車1台分、幕内力士なら10人分の平均体重とほぼ同じである。又、
1万円札の厚みは約0.01cmであるため、“160億円”なら160mとなる。160m続く“1万円札”は壮観であろう。「田中」投手は、これから7年間に亘り、毎年シーズン中の6カ月間(シーズンオフの6カ月間は受け取れないのだそうだ!)、2週間に1度、合計12回、1回約2億円弱ずつ、この契約金を分割で受け取ることになる。所得税率は、現在日本とアメリカは極めてよく似ていて、「田中」投手が住む予定のニューヨーク市の場合、国税が39.6%、州税・地方税が10.5%、合計で50.1%である。日本の場合も国税40%、地方税10%の合計50%だから、両国間に大差は無いと言える。まあ半分税金で納めるにしても手許に“80億円”残るとはなかなか剛毅な話ではないか。

■「Money」よもやま話(2)は、こちら>>
文 国影 譲

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