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イデアなひととき
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人類「不老不死」への挑戦!

 

  歴史的に見ると、その時代々々で、科学の進歩には必ず大きな原動力が必要であった。例えば、数千年前のエジプトやメソポタミアでは「実り多い農作」を実現する為に「天文学」が発達した。更に、中世ヨーロッパでは「富の象徴」である「金」を自由自在に作り出そうとして「錬金術」が生まれ、これが「現代化学」の基礎を作り出した。そして、今回お話しようとしている“人類「不老不死」への挑戦!”こそが、“輪廻の思想”や“天国と地獄”などの「宗教観」を生み出し、そして何よりも「現代医学」発展の基礎を作り上げたのである!つまり、人間の“夢と欲望”が、人類発展のエンジンであるということだ。

  古代中国で勇名を馳せる「秦の始皇帝」の人生は、生きている間に“自分の墓”の造営を開始し、そしてその傍ら、世界中に「不老不死の妙薬」を捜し求めるというものであった。現世では比肩し得る“権力”は無く、民衆の間では「皇帝」が“死の床”に着くなどおよそ考えもつかない時に、当の本人である「皇帝」は日々近づく“死への恐怖”に慄いていた!と、ものの本に残されている。とにかく“生き続けたい!”という強烈な思いは、その裏返しである“死”に対する“恐怖と憎しみ”となって“天下の英雄豪傑”をも捕らえていたということなのだろう。

  最近「アンチエイジング」という名の“「不老不死」への挑戦!”が始まっている。現段階で既に明確に言えることは、あと10年のうちに「老化研究」は飛躍的に発展し、「老化のメカニズム」の80%までは解明されるだろうということだ。その一端として明らかになったのは、老化はもともと人間のDNAの中に組み込まれている「時限爆弾」のようなものであること、そして代謝量に比例するので、細胞の代謝量を落とすことによって“老化や寿命”をコントロール出来るという説である。私たち人間が“死なない日!”が、もう目前に近づいているのかもしれない。或いはそこまで行かないにしても、人生200年という時代が来るのは、あながち否定出来ないことだと思う。

  しかし、“生きること”は、無条件に素晴らしい事の連続ではないし、私たち人間は果たして“いつまでも滅びない生命”に「尊さ」や「煌めき」をどこまで感じられるものだろうか?それとも、そんなノスタルジックな思いを遥かに超えて、「不老不死」のもたらす人生の永続性を享受しようと躍起になるのだろうか。

文 国影 譲

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