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一期一会のある暮らし
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  小学生の時、突然“視聴覚教育の拡充”という名目で各教室にテレビが備え付けられた。 まだまだ世間一般にはテレビの無い家庭もある時代だったので、子供たちは大はしゃぎをしたのだが、実はこのテレビこそ“教育の一環”として授業中に「東京オリンピック」を見るために設置されたものだったのである。  「首都高速道路」、「東京タワー」、「新幹線」、どれも「東京オリンピック」を無事に成功させるためにと考え出された“インフラ事業”だ。いかに当時の人々が「東京オリンピック」の成功に“戦後の復興”や“世界の一等国への仲間入り”そして“将来に対する夢と希望”を託していたかが、うかがい知れる。

  1892年、フランス人「ピエール・ド・フレディ(クーベルタン男爵)」は、ソルボンヌ大学の講堂における「ルネッサンス・オリンピック」という講演の中で“オリンピック復興”の構想を明らかにした。紀元前から西暦393年まで、1169年間に293回も開催されたという「古代オリンピック」から1500年の時を経て、再び世界の人々が参加する「近代オリンピック」を開催すべしという彼の提唱は世界中の国々の賛同を得て、1896年、ついにギリシャのアテネで第1回大会が開かれたのだった。

  日本の参画はいつからかというと、1909年、柔道界で知らぬ者の無い「嘉納治五郎」師範が、「クーベルタン男爵」の呼び掛けに応じてアジアで初めてのIOC委員に就任した時に始まったと言える。そして「嘉納師範」は3年後の1912年に開かれる予定だった“第5回ストックホルム大会”に、初めての日本人選手を派遣しようと奮闘されて“陸上短距離”と“マラソン”に各1名を参加させたのだが、残念ながら散々な結果に終わり、スポーツ教育の向上と、世界の“厚い壁”を痛感したと伝えられる。

  「東京オリンピック」に話を戻そう。1964年10月10日、第1回大会から数えて第18回目、アジアで初めての開催となる「オリンピック」はその幕を開けた。参加国・地域数93、参加人数は5133人という記録が残る。 日本選手としては、ウエイトリフティングの三宅義信さん、体操の遠藤幸雄さん、女子バレーボールの“東洋の魔女たち”などに注目が集まり日本中が熱狂した。 また海外の選手では水泳で4個の金メダルを獲得したドン・ショランダー、女子体操のベラ・チャフラフスカ、マラソンのアベベ・ビキラなどに人気が集まった。

  更に何と言っても「東京オリンピック」の成功を華やかに体現したのが、その閉会式だった。 実は“誘導のトラブル”が原因だったらしいが、国別の整然とした行進ではなく各国の選手が入り交じり、肩を抱いたり、腕を組みあって行進したのである。 このあまりにもフレンドリーな雰囲気が、世界中に支持され、その後のオリンピック閉会式ではこの東京方式が採用されたのだった。そして今年、2016年8月5日午後6時(日本時間8月6日午前6時)に、第31回「夏季オリンピック」リオデジャネイロ大会がスタートする。現地は、今ちょうど冬!最高気温26度、最低気温19度と過ごし易いらしい。はたして、どのようなドラマが生まれるか。ハラハラドキドキの17日間を楽しもう!