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一期一会のある暮らし
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  一度でもそれを体験したことのある日本人の数“4,700万人”!そしてその国内市場規模は何と“6,000億円”!今や日本だけでなく、世界中の人々に愛されるエンターテインメントとなった“日本発の新しい文化”こそが「カラオケ」である。その大きな“特徴”はマイクを握った途端に、貴方が間違いなく“貴方の人生の主役”だと実感出来る事だろう。何しろビッグバンドやフルオーケストラ、或はロックバンドが貴方の為だけに演奏してくれるわけだから!

  我々“団塊の世代”が青春時代を過ごした昭和40年代の街では、皆で一曲を一緒に歌う“歌声喫茶”などが人気だった。個々人の好みや趣味は二の次として、いわゆる“空間の共有”や“連帯感”に安心感を覚える時代だったと言えよう。世の中では“一億総中流時代”という表現に代表される“一緒に渡れば怖くない!”と思う人々が主流だったと思う。しかし、ニクソンショックや第一次・第二次オイルショック、バブルの崩壊やそれに続く20年間にも及ぶデフレを経て、日本も確実に“個人主義”の洗礼を受けた。“横並び主義”や他人様と同じであることを嫌う風潮が一般的となり、如何に“個性的な人生”を送るかが人々の関心事になったようである。インターネット文化やスマホの普及も、「“自分の人生”の主役は“自分”!」を実現するためにかなりの貢献をしたと言える。スマホと自撮り棒で写す対象は、間違いなく“自分自身”であり、ある意味で“自己愛”の発露と言えるかもしれない。ブログやツイッターで紹介される“その人の生活”は、“自分が主役!”という自己主張に満ちている。そして、「カラオケ」もまたこのような社会の“価値変化”を背景に、エンターテインメントの主流にのし上がったと見るのはうがち過ぎだろうか。

  かつての「カラオケ」利用者は、大きな部屋で皆を前にして朗々と歌い上げ、皆に拍手をもらいたい人が多かったように思う。ただ逆に、なかなか上手く歌えない人達にとっては、「カラオケ」はあまり好きではないエンターテインメントの一つでしかなかった。ところが今では、少人数で楽しむ個室型「カラオケ」が主流となり“上手か下手か”などという狭量な見方や“他人に聞かせる”という目的よりは、ichigo70_02参加者とワイワイ騒ぐと同時に如何に自分が納得でき、気持ち良く歌えるかが重要なことになったのだろう。その結果として、とうとう「カラオケ」は“一部の人達だけの楽しみ”から、学生や社会人、主婦層や老人まで含めた“多くの人々の楽しみ”として、確固たる地位を得たのである。

  最後に、友人である医者からの忠告をお伝えすることにしよう。最近、死亡原因の第3位に「肺炎」が来ているが、この多くが「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」なのだそうだ。飲み込んだ物が“食道”ではなく、“気管”に入ってしまい、更に“肺”に溜まって「肺炎」を起こす。その主な要因は、“喉(のど)”の筋肉の衰えだという。これを防ぐための最も有効な手段は、“歌う事”。よく“老いも若きも!”と言うが、老いたればこそ「カラオケ」を楽しみながら “喉”の筋肉を鍛え、健康で豊かな老後を迎えたいものだと思う。